コンプライアンスは一般的に法令遵守という訳語があてられる言葉です。介護業界は、介護保険制度を利用することでサービスの提供を行っているという側面があるため、一般企業よりも厳しくコンプライアンスが求められます。介護現場で頻発しやすいコンプライアンス違反は3つあります。
1つ目は、介護保険法に関する違反行為です。介護保険法に関する違反の中でよくある事例は、人格尊重義務違反です。介護職員は、利用者を尊重しつつ、相手の立場に立って物事を考えながら業務を行うことが求められます。そのため、介護職員が利用者に対して虐待行為を行った場合は、人格尊重義務違反として処分の対象となります。
2つ目は、労働基準法に関する違反行為です。労働基準法に関する違反の中でよくある事例は、違法な長時間労働です。介護の仕事はその業務内容上、長時間労働が当たり前になりやすい傾向があります。しかし、労働時間は法律でしっかりと決められているため、超過した場合はコンプライアンス違反の対象となります。
そして3つ目は、個人情報に関する違反行為です。個人情報に関する違反行為に関して、近年話題になっているのがSNSを介した情報漏洩です。施設の利用者に関する情報が職員のSNS上で発信されるなど、個人情報の流出が大きな問題となっています。これも立派なコンプライアンス違反に該当するので、安易に仕事に関係する事柄をSNS上にアップすることはやめましょう。コンプライアンスに関する知識がないと、気づかないうちに違反していた(違反されていた)ということになります。そうならないためにも、自ら進んでコンプライアンスに関して学ぶことが大切なのです。