介護の仕事をする人で法令遵守(じゅんしゅ)、別名コンプライアンスを知らない人はいないでしょう。近年では、法令遵守違反の報告が相次ぎ、年間100カ所の介護事業所が閉鎖を余儀なくされるという報道もあります。介護職にかかわる法令を抑えながら、具体的に何ができて、何をしてはいけないかを明確にしましょう。
「高齢者虐待防止法」という法令にもとづくと、例えば介護中に人手が足りずテーブルで利用者を支えるなどです。「誰もいなかったから」は、残念ながら理由になりません。これだけではなく、すべての法令遵守違反は動機があって、そういったことをしなくてはならない環境、そして「仕方ない」という正当化が重なる時に発生します。
他にも、労働基準法や個人情報保護法、介護保険法など、さまざまな法律があることを知っておかなくてはなりません。介護の仕事は社会的貢献度が強いため、利用者にとってはいろいろとお願いすることがあります。しかし、利用者に求められたとしても、サービス提供者としてやっていいことと、違反とみなされてしまうことを理解しておかなければなりません。仮に、それに背きながら仕事をすることで、その事業所が閉鎖指示を受けることもあり得るのです。
特に抑えておかなければならないポイントは、2つあります。1つ目は自分の判断だけで何かをしない、ということです。さらに2つ目は、常日頃から法令遵守に関する研修などを行う事業所かどうかチェックすること。これらは、結果的に自分のことを守ることにもつながります。(参照サイト:http://nursingcare-and-law.com)